知命からの女子大生 ②「年齢の壁は自分でつくっているのです」

 さて、「大学院を受験する!」と決めたものの、受験するためにはまず、書類をそろえて応募しなければなりません。

最初にWebで簡単な申し込み登録をするのですが、そこに顔写真をアップする必要があり、「私の年齢で大丈夫かいな」と修正した写真を使おうかと思っていたんですけど時間がなくなり、めいっぱい若づくりの(自己評価)写真をアップしました。この時点ではただ、受験番号と郵送用の書類をダウンロードするためのアドレスが送られてくるだけなんですけれど。「年齢の壁」って自分で勝手につくって、しょうもない場面で自分で出してしまうものですね。

さて、郵送しなければならない書類は、学歴・職歴調査書、職務内容調査書、研究計画書A(志望した動機、主に深めたい学習内容)、研究計画書B(この時点での具体的な研究計画)です。

前年の合格者数を見ると、だいたい受験者の半分強くらいでした。「これは……応募書類の時点で気合いを入れなければ」と思いました。学歴・職歴や職務内容に関しては、これまで自分が働いてきたことの整理になりましたし、志望動機や学びたいことは、自分がやりたいことなのですから、それなりにアツく書けます。しかし、具体的な研究計画となると……遠い昔に自分が書いた卒業論文を「えらくいい加減だったなあ」と思い出しながら、「研究計画書」なるものをWebで調べつつ、なんとか完成させて提出しました。

 そのうちに、筆記試験と面接試験の連絡が郵送で来ました。IT時代、受験票が郵送で送られてくるのって、案外いいものですよ。久しぶりの受験感覚になぜかワクワクしつつ、筆記試験の準備を少しでもしなければいけないなあと思い始めました。そもそもリハビリテーションに関わる仕事をしているわけでもないですし、試験ですから専門用語の説明問題などは当然出題されるだろうと思ったのです。過去問題もWebにアップされていたので確認しました。1つの題材を読んでの「論文」が主のようでしたけれど、リハビリテーションに関する用語くらいは覚えようと、Amazonをポチッとして本を2冊買いました。

この内容がなかなか難しい! 医学的な要素も多いんです。それにリハビリテーション医学って新しい分野なんですよね。でも、だからこそ感じられる苦労や喜び、課題やりがいなどもあるのだということもわかりました。途中からはあがいてもムダだと思い、リハビリテーションに関する最近の状況や話題などを調べて準備しました。

そして迎えた試験当日。少し緊張はしましたけれど、教室に入ると、来ている人たちを眺めるくらいの余裕はありました。同じくらいの年代の女性も意外にいてホッとします。若い男性も多い感じです。

配られた筆記試験は、用語説明と、ある評論の一部を読んで「論文」を書くというものでした。鉛筆で書き消しゴムで消す、という作業自体がなかなか新鮮です。漢字を思い出すのに苦労したことも何度かあり、日々スマホにどれだけ頼っているのかと思い知らされました。手ごたえは「まあまあ」。

そしてその後は面接試験です。こちらのほうが緊張しました。面接官の先生が3人座っていました。私は先生方の向かいに1人で座って質問を受けましたが、何を答えたのかあまり覚えていません。でも、「すべての流れがつながってここにいる気がするのです」と話すと、目の前にいる先生がニコニコして、門外漢の私に「そうですか。そういう方にも学んでほしいです」とおっしゃいました。手ごたえは「よくわからない」。

 そして秋となり、合格通知がこれまた郵送で届いたのです。誰かに認められるということは、いくつになっても嬉しいものです。

こうして私は、筑波大学東京キャンパスの門をくぐります。桜はもう散ってしまっていたけれど、久しぶりにドキドキする1歩を踏み出した気がしました。手元には自分の顔が入った「学生証」。結局、最初に応募したときの写真が使われていました。

そして、入学式が行われる教室のドアを開けたのです――。

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