『黄金湯』前編。夫婦の心意気が詰まったオシャレ銭湯
いよいよ夏本番。しかし……今回は、クリスマスイブの銭湯話をお届けします。季節外れですが、“銭湯浴”に季節は関係ありません。
クリスマスイブに大事な人と過ごした日々は遠くなりけり。最近はしっかりと年末の仕事が入ることが多くなりました。昨年のクリスマスイブ、こんな日こそ銭湯だ!と思えることは幸せなのだと思い込み、以前から行きたかった錦糸町の銭湯を目指すことにしました。
錦糸町は銭湯パラダイスです。昔から駅前のビルにドーンとある「天然温泉楽天地スパ」が最初に頭に浮かびましたが、こちらは男性専用のスパ&サウナで(1956年開業で以前は女性も入れたみたいです)、私の中では“スーパー銭湯”のくくりです。
今回目指したのは、「黄金湯」さん。私を銭湯、いや銭湯カードの世界にいざなった、My美容師さんから聞いていた「最近オシャレにリニューアルした銭湯」の1つです。なんだかんだ言っても「イブ」です。それなりの気分で過ごしたいではないですか!
さて、総武線の錦糸町駅で電車を降りて北口を出ると、駅の反対側(実は駅直結)に「楽天地」の看板が見えるのですが、目指す黄金湯は錦糸町公園の方角にあります。錦糸町と言えば、東南アジア系の綺麗なお姉さんがいる飲み屋が多いイメージですが(昔、同僚に連れられて行ったことがあります。なかなか楽しかったです笑)、こんなに大きくて緑豊かな公園があるとは知りませんでした。
公園を通り過ぎて少し歩いて右に折れると(駅から5分強です)、住宅街の中のマンションの1階にあるコンクリートの外壁が目にとまります。一見、オシャレなカフェに見えますが、昔ながらのギラギラした電光看板に「黄金湯」とあり、ここが目的地だとわかります。
全面ガラスに木枠が付いたシンプルな入口に、真っ白な綿地のシンプルな暖簾。そこにこれまたシンプルな「黄金湯」の黒い文字が絶妙に配置されています。シンプルとはいえ印象に残るこの文字、調べると、銭湯の下に張り巡らされた配管から閃きを得た、直線と正円を組み合わせて作られたオリジナルデザインだそう。入口からただならぬオシャレ感がある湯あみ処に期待は高まるばかりです。
暖簾をくぐると、そこは番台のあるスペース。番台には雰囲気のある同じ歳くらいのおじさんがいます。この方がオーナーさんでした。
オーナーさんの実家「大黒湯」は60年以上続く銭湯で、黄金湯から徒歩5分ほどの場所にあるのだそうです。実家はお兄さんが一度は継いだそうですが、紆余曲折あり、次男の現オーナーが引き継いで、現在はご夫妻で営業中。その後、ご夫妻が廃業予定だったここ黄金湯も引き継ぎ、大黒湯の姉妹店として経営しているのだそうです。そしてさらにご夫妻3番目の銭湯として同じエリアで引き継いだもう1つの姉妹店「リフレッシュセントーさくら湯」もあり、さらにさらに今年の7月7日の七夕には、ご夫妻4番目の銭湯「黄金湯 新宿」もオープンしたのだとか!(インスタグラムには「東新宿に建つ築50年の『金沢浴場』をリニューアルし……」とあります)。4つの銭湯はまったく個性が違っていて、どれも考え抜かれたコンセプトでつくられた愛のあふれる湯あみ処。「そのうち行きたい!」という銭湯が増え続けますね。
それにしても、銭湯にもいろいろなドラマが隠れているものなのですね。一度ご夫妻に“銭湯人生”に関するお話を聞いてみたいです。余談ですが、銭湯界隈では「長沼三兄弟」という存在も有名なのだとか。こちらに辿り着くまでにはかなりの時間がかかりそうです。
さて、若い人向けの銭湯にしたいというご夫妻の思いから、地元のデザイナーさんたちとつくったというこの黄金湯、屋内のデザインもオシャレで、センスと心意気が詰まっています。オリジナルグッズもとても素敵。また、番台の横にはビールサーバーがあり、ご夫妻が近くにつくった醸造所のクラフトビールが楽しめます。2階には、ドミトリータイプの宿泊スペース、イベントや展示会を行う多目的スペースもあります。整体やアカスリができる場所もあるみたい。
シャンプー・リンス・ボディーソープ、ドライヤーは無料、そして化粧水も無料でした。貸しタオルセットは200円。サウナも男女・平日休日で500円前後とリーズナブル、そして“ペイペイ可能”です。
さて、脱衣所に入ると、番台スペースから続く配管がむき出しで打ちっぱなしの天井の下、木目調のロッカーが並び、こじんまりサッパリとしています。そこに白地に黒字で「お~い」(「~」は波のようにデザインされています)と書かれた大きな暖簾がありテンションが上がります!
次に湯あみ処に目を向けると、なんだか薄暗く、キャンドルの炎が見えます。とても幻想的でクリスマスにはぴったり。この日は「キャンドルナイト」で、これは定期的に開催されるのだそうです。昔、自宅のお風呂でキャンドルを灯して入浴するのがマイブームだった時期があり、その灯りで漫画を読みながら寝てしまい、漫画がシワシワになったというまったくロマンチックではない事件を思い出しました。
さて、湯あみは午後7時30分くらいに開始。湯あみ処に入ると、コンクリート風の壁になんだかオシャレな墨絵が浮かび上がっています。これ、どこかで見たことがあるなあと思いながら、キャンドル揺らめく湯につかるのでした。(次回につづく)


“話題のカフェ”に見える入口。しかし、「黄金湯」電光看板が「オレ、正真正銘の銭湯だぜ!」と主張しているようです


料金を壁に直接描いているのもオシャレ。2階には東京の銭湯で唯一の宿泊施設があり、「コガネキッチン」ではご飯も食べられます。ターンテーブルもあり、DJイベントも開催していたみたいです

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