母と短歌、ときどきセカンドライフ ⑤ 紫陽花と百合に降る雨、ハーブとともに同窓会へ

 昨日も今日も吾の心に浸み込みし 紫陽花の雨 百合に降る雨

 新年度の忙しさに巻き込まれて、このブログ更新がすっかり遠のいてしまっていた。母の短歌には、なぜか「桜」を詠った歌が少ないので、母の短歌に季節が追いつくのを待っていた、という言い訳も立つのだけれど。

母は、地味めで可憐な花が好きだから、皆が大好きな主役の花、桜には食指が動かなかったのかなと思ったりもしたけれど、実際は母も新年度の忙しさで歌を読む時間がなかったのかもしれない。子どもでも大人でも、仕事をしていようが、子育てをしていようが、介護をしていようが、新年度は何かと忙しい。

さて、現在は梅雨真っただなか、春なんかとっくに通り越して、目の前には夏が迫っている。今年は久しぶりに梅雨らしい梅雨だ。雨が降る日が多く、紫陽花も嬉しそうだ。

この歌は、2000年(平成12年)のちょうど今時期、母が短歌を始めてすぐの頃に読まれたものだ。

字余りもあって、なんだか自由な感じがする。58歳の母は、仕事を辞めて、祖母の介護をする日々。歌をつくるときは、特に自由な気持ちになっていたのかもしれない。

 私も紫陽花は大好きだ。小さな花びらに雨粒が乗っている姿を見ると、みずみずしい気分になる。一方、百合の花は華やかで大きい。そこに雨が降ると、こちらはじょうごのように雨を取り込んで、首が折れないか心配するほどになる。甘く濃厚な芳香も雨粒に閉じ込められてしまうようだ。

梅雨は長い。昨日も今日もよく降る雨。でも、その雨こそが紫陽花や百合に活力を与える“いのちの水”だ。母の心に浸み込んでいったのも、ひび割れそうになる日々をうるおわせてくれるものだっただろう。

今年もそろそろ紫陽花の時期が終わろうとしている。

 

久し振り友に会う日の心騒ぎ ローズマリーをしのばせてみる

  同窓会が楽しみなのは、何歳くらいまでなんだろう。昔の友や仲間に会い、思い出話に花を咲かせ、それぞれの人生を語り合う。ときには今の生活の愚痴を言い合って慰め合って笑い合う。会う友が、初恋の人だったとしても、親友だったとしても、顔を知っていた程度の同級生だったとしても、不思議と”心騒ぎ“は起きるものだ。この気持ち、感じたことのある人は多いと思う。そしてまた母の“乙女”な一面を見たような気がして嬉しくもなる。

 この心騒ぎは、同窓会を楽しみにする期待値と比例して大きくなる。そして同窓会を楽しみにする人はきっと、人に語ることができる自分の人生がある人なのだろう。

 ローズマリーはとても手軽に栽培できるハーブだ。一年中いつでも収穫できるので、ハーブティにしたり、肉料理に使ったり、ポテトフライに添えるだけでもおしゃれな料理となる。確かに実家には、鉢植えのローズマリーがあった。でも、私の子ども時代、食卓に出ていた記憶はない。母はローズマリーを何に使っていたのだろうか。

この歌を読んで、私は母が、緊張を抑えるためにローズマリーを“しのばせた”のかなと思ったけれど、ローズマリーのすっきりとした香りの効果について調べてみると、記憶力・集中力アップ、脳の活性化、精神的な疲れをリフレッシュさせるリラックス効果、血行促進作用など多くの効果があるようだ。これならば確かに、同窓会に行く前の心騒ぎを抑えるだけでなく、同窓会での楽しい会話を引き出すためにも効果はありそう。

 毎年一度は同窓会に出かけていた母。そのための洋服を新調したりする姿は楽しそうだった。しかし、最近では、「もう今さら、行きたくないわね」と言っている。誰しも、人に語ることができる自分の人生は年々少なくなっていくのだ。

それでもローズマリーだけは、ベランダの鉢に植わっている。

沈丁花と同じく、実家の庭の紫陽花の葉を私の小さな庭に挿し木したらあっという間に大きくなった。今年もみずみずしく咲きました

近所のスーパーの花やで見つけたローズマリーの鉢植え。ベランダに置いたら、いつまでも爽やかな香りを届けてくれるでしょうか

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